「で、メスを入れて、中身を引っ掻き回したあげく縫合もせずに放置するわけですね」
おや、なかなか鋭いですね。
「おい」
ま、冗談は置いといて、やはり今流行のデッキと言えば3、4色プランではないでしょうか。そして今現在のメタゲームは多様化しており、特定のデッキに強いデッキは他のデッキに負ける状況になっており、多くのデッキに対して5分以上に闘えるというのはそれだけで優秀なデッキです。
というわけで、今回はプランデッキの中でも対応力を高めた4色プランの強さの検証とその対策を論じていきます。
「まあ、5割も正しい事を論じられればよくやった方でしょう」
そこ失礼なこと言わない。ではまずは4色プランデッキのサンプルをどうぞ。
デッキ名―4色プラン―
黒―17枚―
イビルアイ・ドライバー×3
殺意の魔煙キラー×2
スパイク・ガールズ×2
失恋の痛み×3
ブラック・ホール×1
真夜中のダンスパーティ×2
シャドー・ソウル×1
呪われた手紙×3
青―7枚―
センチネル・センチピード×3
欲望の連鎖×3
濃霧の魔氷フォッグ×1
白―7枚―
花束を捧げる乙女×3
水晶砦の魔女×3
神々の雷×1
赤―9枚―
シルバーワイズ・ドラゴン×3
ステルス・スナイパー×3
メガトン・パンチ×2
ドラゴン・ブレス×1
あくまでサンプルなので、枚数などは適当なものもあります。
しかし黒の手札、ユニット除去を中心に、白のベース破壊、赤のユニットの除外、青のドローと、できないことはなんなのかと聞きたくなります。
このデッキ、動きとしては序盤はプランを作成して、墓地効果ユニットが見えたら更新して、手札にこないよう墓地に落とします。このとき相手が赤で無い限りすぐにはデッキに戻さず、相手の4、5ターン目終了時、つまりは自分のエネルギーがセットして5になる前の相手ターン終了時に戻すようにすれば手札に来る可能性を減らせます。
そして3、4ターン目のプランで失恋の痛みや欲望の連鎖、スパイク・ガールズやブラックホールなどが見えればそれをプレイ。相手が速攻ならばプランなどせずエネルギーを残しておくのが良いでしょう。黒1でも残しておけば相手はそうそう無理な攻めはしてこないでしょう。
5ターン目からは、プランから各種の墓地効果ユニットや除去ストラテジーをプレイして相手と自分のユニットの数に差をつけていきます。これが生半可な軽量ユニットを展開していくようなユニットデッキだったりすると、ターンごとに差を広げられてどうしようもなくなります。
さて、そんなデッキに勝てるのか、勿論イエスです。
ではここでこのデッキの弱点を挙げてみましょう。
1、まともに動けるのはほぼ4、5ターン目から。
これは単純に主力の墓地効果ユニットが4エネルギーである事に起因します。つまりユニットをスクエアに出す、という基本の動きが無理に手札からプレイしたとしても4ターン目からになってしまうのです。(例外は水晶砦の魔女やスパイク・ガールズですが、前者はそんな風にプレイしてくれるならむしろ嬉しく、後者は失恋の痛みや欲望の連鎖をプランからプレイされるよりマシです)
そして手札からのプレイも余程の理由がなければしない行動です。そんな事をするならプランから失恋の痛みなどを探すでしょう。つまりこのデッキが動き出すのは5ターン目からです。
2、エネルギー加速ができない
つまり、数少ないこのデッキにできないことです。
たとえば緑の黄金パターンであるバニー⇒バルカン⇒タイガーアイとされると、相手が先攻であれば、こちらが4エネルギーをセットした時には相手のばに3体のユニットが並んでいる状態になるわけです。
ここからさらに巨大ユニットや老衰遺伝子などを積んでいるであろう緑にこのデッキが勝てるか? 答えはほぼノー、です。相手がプレイミスをしなければ十中八九終わりです。ユニットを展開していって除去しきれないほどになってからスマッシュをすればいいだけです。
以上を踏まえれば、このデッキの対策としては緑が相応しいということがわかってきてしまいます。というわけで、いま現在私が
緑タッチルドルフ&バーソ
緑―36枚―
兎娘キューティ・バニー×3
大巨人クレーター・メーカー×1
象砲手バルカン×3
蜘蛛の巣をまとうフェアリー×3
ヤマブシ・ドリアード×3
魔獣王ティラノギア×3
戦虎タイガーアイ×2
妖魔の女王×1
大巨人ゴッドファーザー×2
小さくて大きな力×3
密林の孤城×3
食物の連鎖×2
生命の門×3
老衰遺伝子×3
エメラルド・ソウル×1
黒―2枚―
幻影王ルドルフ×2
青―2枚―
バードマン・ソウル×2
えー、基本的には緑単としてプレイしつつ、エネルギーが溜まり、相手に隙ができたとき(タイガーアイなどを除去した直後のターンなど)に生命の門からルドルフ登場、タイガーアイ復活。そうすると、あら不思議、相手は呪われた手紙がプランから出てもタイガーアイではなくルドルフに使ってくれます。タイガーアイの方が大きいのにね、不思議ですね。
「おまえ、性格悪いって」
自覚してます。まあそもそもタイガーアイの除去とかに対して老衰遺伝子を使えば回避できたりしますけどね。そしてなにもゴッドファーザーやルドルフに頼らなくとも、中央ライン密林の孤城+ヤマブシドリとかが素敵に無敵ですし、4色プラン以外に対しても充分以上に闘えます。
特に老衰遺伝子の威力のおかげで、ビートダウンタイプのデッキに対しても致命的なスマッシュを抑えて押し返せるでしょう。さすがにロストワールド速攻などの完全な速攻デッキともなるとどうしようもないですが、そこは相性です。仕方が無いと諦めるしかないでしょう。
「まあ、その他にも4色プランは研究されて弱点となるデッキが他にも発見されるでしょうし、2デッキ制ということもあって4色プランデッキは日本選手権本戦では殆ど見ないデッキになるんでしょうね」
そう、そして皆4色プランへの対策を弱くして、ロストワールド速攻と4色プランの2デッキに沈められる……ってこともないでしょうけど、今回もメタが読みづらくなりそうです。
では次回は、出れるかどうかわかりませんが、日本選手権本戦について2デッキ制を中心にして考察したいと思います。
また次回〜